滋賀中日新聞2020/2/12
湖国の25城をジオラマに びわ湖大津館で企画展
県内各地の城の再現ジオラマが並ぶ会場=大津市のびわ湖大津館で |
県内各地の城を再現したジオラマが並ぶ企画展「近江戦国歴史浪漫」(中日新聞社後援)が十一日、大津市のびわ湖大津館で始まった。十六日まで。入場無料。
明智光秀ゆかりの坂本城や、織田信長ゆかりの安土城といった著名な城をはじめ、浮気城(守山市)や多喜山城(栗東市)など、県内全域を網羅する形で二十五城を展示している。
企画した大津市在住の佐藤純生さん(59)は、一年前から歴史や城郭に興味を持ち、活動を始めた。県内には各地に城跡が残るが、往時の姿は見ることができない。「子どもたちに、自分の地元にもこんな城があったんだと思って見てもらい、歴史を誇りにしてほしい」と考え、現存しない城を中心に県内全域の城の史料を収集。東京都のジオラマ職人に依頼して復元した。
岡山県津山市で忍者にふんして歴史イベントなどで活動している「鶴山隊」隊長の克丸さんも会場を訪れ、「武者返しまで精巧にできていて素晴らしい。津山でのイベントにも出展してもらえたら」と話していた。
三月二十日から、制作中の城も加えたより大規模な展示を草津市のイオンモール草津で行う予定。
(岡屋京佑)
中日新聞
20200212
読売新聞さんでも近江戦国歴史浪漫夢のジオラマ展が本日掲載されてました。
毎日新聞さんに掲載されました。
安土城、坂本城など近江の18城 ジオラマで精緻に再現 びわ湖大津館
毎日新聞
織田信長が居城とした安土城(滋賀県近江八幡市)や、NHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」の主人公で戦国武将、明智光秀が築いた坂本城(大津市)など、戦国時代を彩った近江(現滋賀県)の城18カ所をジオラマで再現した展覧会が、大津市のびわ湖大津館で開かれている。豪壮な天守を持つ城や戦に特化した山城など、それぞれの特色を細かな部分まで表現した名城の19作品が並ぶ。16日まで。
展覧会を企画した一般社団法人「あかるいまちづくりの会」代表の佐藤純生さん(59)は膳所城(大津市)のあった場所の近くに住みながら、最近まで城について詳しく知らなかった。昨春、桜を見に立ち寄った膳所城跡公園で石垣や本丸跡の遺構を見たことをきっかけに城の魅力に引き込まれ、県内各地の城を調べ始めた。「県内どの市町にも誇るべき城がある。その姿を再現すれば、地元への誇りや愛着も高まるはず」とジオラマ作りに乗り出した。
城の構造を記した「縄張り図」や発掘調査の報告書、現在の地形図などを基に、自ら城の設計図を制作。資料がない城は知人の建築士に相談し、建物の構造的に矛盾がないかといった点も、設計段階で考慮に入れた。実際のジオラマ作りはプロの造形士に依頼し、細かな表現についてやり取りを重ねながら、19城を完成させた。
これまで安土城や坂本城、戦国大名の浅井長政の居城だった小谷城(長浜市)など有名な城だけでなく、浮気(ふけ)城(守山市)、青地城(草津市)など今はほとんど遺構が残らない城も再現。豊臣秀吉の家臣、石田三成の居城で知られる佐和山城(彦根市)や、関ケ原の合戦に向かう西軍を籠城(ろうじょう)戦で足止めした大津城(大津市)には、立派な天守もそびえ立つ。大津城のジオラマは2作品あり、籠城戦の様子も再現されている。
佐藤さんは「お気に入りは湖南市の『三雲城』。まだまだ勉強中で、見に来られた方から教えてもらうことも多いが、それも楽しい。『近くにこんな城があったんだ』と知ってもらい、歴史を学ぶきっかけになれば、うれしい」と語った。
午前10時半~午後5時(16日は午後3時まで)。入場無料。3月20~31日には、制作中のジオラマを加えた計30城を集めた企画展を、草津市のイオンモール草津で開催する予定。展覧会の問い合わせは同法人(077・598・1276)。【礒野健一】
ジオラマで再現された18城は以下の通り。
安土城▽坂本城▽小谷城▽佐和山城▽大津城▽三雲城▽膳所城▽浮気城▽青地城▽瀬田城(大津市)▽長浜城(長浜市)▽多喜山城(栗東市)▽水口岡山城(甲賀市)▽大溝城(高島市)▽佐生(さそう)城(東近江市)▽鎌刃城(米原市)▽近江音羽城(日野町)▽敏満寺城(多賀町)